近未来に訪れる絶望

Posted by ryouta on 7月 27th, 2014 — Posted in 未分類

 六限目の終了を告げるチャイムと同時に、放課後を楽しみにしていた人間の浮ついた雰囲気と、部活が始まることに嫌気がさしている人間の倦怠感が一瞬にして二年H組を支配する。
僕はもちろん後者で、トイレで『埼京高校』の文字が入ったチームウェアに着替えて、ラケットなんて持たずにテニスコートに向かった。
 トイレの鏡に映った僕の顔は気怠さに包まれていて、階段の鏡に映る頃にはもう泣きそうになっていた。
 だんだんと失望と、近未来に訪れる絶望の予感に支配されながら歩き続ける。

マジキモ

Posted by ryouta on 7月 16th, 2014 — Posted in 未分類

「あっちの男子、マジキモかった。暗いし、どうでも良い社交辞令しか言えないしぃ~」
 ひどい言葉が聞こえてくる。
「えぇ~!? それ、ないわ~。最悪じゃん」
「ねぇ、ねぇ。ウチの服、臭わない? あっちの男子、マジ臭くてさぁ~」
「童貞臭? 嫌ねぇ~」
 おそるおそる目だけを『手作りケーキの君』の方にやると、こっちをガン見して、冷たく笑っていた。
 ヒドイ・・・・・・。
「女子、怖ーな」
「ああ。幻滅した。もう良い。嫁いらない」
「諦めるな。きっと将来的に良いことがあるさ」
「いや、きっと女子はみんなああなんだ」
「それは言い過ぎだと思うけどねぇ」

八つ当たり

Posted by ryouta on 6月 14th, 2014 — Posted in 未分類

 結構強い事になっている天狗も、二人には適わなかったらしく、普通にやられた。
 天狗から出てきたのは、四十代後半のおっちゃん、その残骸だった。
 此岸にありながら、完全に彼岸の者になってしまった存在。そんなおっちゃんに殺された俺のクラスメイトは、俺の友達は、世界から忘れられてしまった。
「なんで、あいつまで忘れられなきゃいけないんだよ!」
 おっちゃんが忘れられるのは、まだ加害者だから良いとしても、なんであいつまで?
 そう、架に当たった事があった。完全に八つ当たりだ。

俺の方に

Posted by ryouta on 5月 28th, 2014 — Posted in 未分類

 牛鬼は刃を身体を捻ることで上手く回避して、俺の左手に着地した。あ、糸のせいで身動きとれないんですけど、やばくない?
 牛鬼はやはり、俺の方に向かってきて、足の爪を振るってきた。それを神器で受け止めようと構えていると、急に強い風が吹いて、俺の身体を吹き飛ばした。
「・・・・・・架、痛ぇよ」
「まともにぶつかり合おうとするな。毒を吐くと言っただろう?動きを止めたらやられるぞ」
 謝罪も無しかよ・・・・・・。でもまぁ、架のお陰で助かったみたいだし良いか。俺はもう、蜘蛛の糸のサークルの外に出ることができていた。

コンビニにバイクで

Posted by ryouta on 5月 10th, 2014 — Posted in 未分類

 あ、そもそも器人じゃなかったら、化け猫を倒そうとしてコンビニにバイクで突っ込む事なんてないか。
神様や霊魂、妖怪が見える人間は器人と呼ばれている。神様がこの世で何かをなさるときの神器として実働する人だからだと言う。
でも、今は神様方は特に何もする気はおありで無いようで、俺たちは基本的に妖怪退治をしている。
 一言に器人と言っても、そりゃあ、ピンからキリまでいるもので、俺はキリの方。雑魚キャラに手も足も出ない、って言うか、手も足も届かない、雑魚キャラ中の雑魚キャラ。

独り言

Posted by ryouta on 4月 12th, 2014 — Posted in 未分類

 これから言うことは独り言だから、聴きたくなかったら先に降りちゃって良いんだけど、という前置きの後で話し始めた。
 ぶっちゃけ、聴かなくても良かったんだけど、どちらかというと久米村さんが話したがっていたようだったから、そのまま座っていた。
 久米村さんが、つっかえつっかえ、時折悲しそうに、たまに憤りながら話してくれたのは、こんな話だった。
 普通の公立中学に通っていた紫藤さんは、中学の2年の最初の頃までは勉強も運動もそこそこの普通の女子中学生だったらしい。でも、中2の最初の模試で良い成績をとってしまい、周りがそれに期待した。もしかしたら何々高校行けるかもとか言って。

墓掃除

Posted by ryouta on 3月 11th, 2014 — Posted in 未分類

先祖代々のお墓を掃除したり、百円均一に行ったり、業務スーパーに行ったりもした。交通手段は大体が自転車だった。アイス目的の薄情な僕も、お手伝いはちゃんとやった。

お墓に水を運んだり、彼が探す品物を探し回ったり、荷物を運ぶのを手助けしたりした。当然それは、幼い子供の力なので、ほんの微々たる手助けだったが。

お手伝いを一生懸命やったら、最後におじいちゃんが、「はい、駄賃だよ」なんて言ってバニラアイスを食べさせてくれたのだった。買ってくれるアイスは、たまに変わったけれど、いつもは僕のお気に入りのスーパーカップだった。

これからどこに

Posted by ryouta on 2月 23rd, 2014 — Posted in 未分類

これからどこに向かうのだろうか?そんなことを考える今。品川図書館に言ったことがある人間はこの中で神崎さんだけ。「1年の時、学校の周りの面白そうな所を周ってたんだよね」道理で学校周りの地理に詳しいわけだ。にしても、川崎市からロードバイクにヘルメットで東京の高校に登校している女子ってお前くらいじゃないの?30分くらいでつくけど?って言ってたけど、そりゃロードバイクだからだって。はあ、面白さを求めるのは結構だが、やり過ぎるとこんなことまでするんだな。

内緒

Posted by ryouta on 2月 14th, 2014 — Posted in 未分類

「良いか?お婆ちゃんや結奈には内緒だぞ?」と念を押して買ってくれたのだった。その時のお爺ちゃんの言葉を今でも覚えている。「優己は、今はどちらか一方しか選べないかもしれない。それはお前がまだ小さいからだ。でも、将来また両方選びたいことも起こるかも知れん。だから、その時までに力をつけておけ。両方選ぶことができる力を」その時以来、僕は満身創痍で努力して力をつけようとしている。いつか選択肢が出てきたときに、全てを選べるように。何かを切り捨てずに済むように。

それぞれが勝手に

Posted by ryouta on 1月 29th, 2014 — Posted in 未分類

「それぞれが勝手に自分の好きな事をやってたんじゃ、事案が起きたときどうするの?」「どの子も、しっかりやる奴らですよ」「信じるのは勝手だけど、甘えるよ、そんなことしていると」「そうでしょうね。でも、彼らは、相手の甘えを許せる人間です」「大変だよ。そのスタンス」「先輩のように仲間を信頼しないというのは、あまりに仲間がかわいそうでした。だから、俺は、信じ切ります」「ふん。せいぜい頑張ってね」怒ったように去っていく先輩。「ガッキーは仕事はちゃんとやりますから、きっと」